【読書感想文】 『不合理だからうまくいく』 ダン・アリエリー(著) 櫻井祐子(訳)
2015年2月22日 読書
今日は読書感想文を・・・
前回同じ著者の本を読んで、非常に知的好奇心をかき立てられる内容だったため、第二弾の本作を購入して、読破。
前作『予想どおりに不合理』
↓↓↓
http://meatbouzu.diarynote.jp/?theme_id=225
第一弾が結構人気だったとのことで、第二弾はその内容を薄めたものになっているのではないか?と若干心配していたが、全然そんなことなかった。
以下、記憶に残った部分を箇条書き
①一般に報酬が高くなるほど成績も上がるように思われるが、高すぎる報酬は、逆効果になる場合がある。とくに単純な仕事(力仕事系)よりも、認知スキル(計算・発想等を問われる仕事)が要求される課題の場合に、この傾向が強い。
②仕事への意味があると感じるか、ないと感じるかで、モチベーションに大きな違いが生じる。
③努力をかけて何かをこしらえると、その作品に愛着を感じて、過大評価をするようになる。
※インスタントラーメンを自分で作っても、自分の料理という認識は持てないが、卵と牛乳をいれてかき混ぜて、ちょっとした手間をかけて作るホットケーキは、インスタントラーメン同様に簡単に作れる料理であるが、自分の料理という認識(愛着)を持つことができる。
④自分で生み出したアイデアには愛着を感じ、高く評価してしまう。(自前主義バイアス)
※これにより、自分よりも優れた他人のアイデアを排除してしまうリスクが生じること。それからこの自前主義バイアスは、自分で考えたという思い込みでも生じる。
⑤人間は復讐をする際には、線条体という、報酬や喜びに関連して活動する部位が、活発に反応しており、一見不合理と思われる復讐という行為も、人間の奥深い本能であるということ。
⑥人間の順応能力は、自分が思っている以上である。
すごい良いことが思っても思ったほど幸せにはないないし、逆に、悪いことが起きてもそれほど不幸を感じない。
※順応する過程を中断すると、順応が遅くなる。これを利用して、厄介なことは一気に片付け(順応のスピードを高めて、厄介だと感じる気持ちにいち早く順応する)、楽しいことは休み休みやれば(順応が遅くなるので、楽しみが長く続く)、満足度が大いに高まる。
⑦容姿に恵まれた人は恵まれた人同士、恵まれない人は恵まれない人同士でつき合うことが多い。
※著者の実験の結果、、、
容姿に恵まれない人は、決してB専になっているわけではなかった、外見以外の魅力(性格とか)を重視して相手を探すことで、現実に順応していることが多いことがわかった。
⑧人はおおぜいの苦しみより、一人の苦しみの方に心を動かされるようにできている。
※遠い国で貧困から何千万人と死んでいっている子供達がいる・・・という情報よりも、自分の所属するコミニティーのより近くで起こっている、特定の子供が誘拐されている・・・とか川に溺れそうになっている・・・とかのほうが、心動かされる。
⑨感情はすぐに消えるが、いっときの感情に任せた決定が、長い間にわたって行動を左右することがある。
その章の重要部分を箇条書きしたので、これだけ見ても、なんも分かんないと思うんだけど・・・
個人的に、すごい知的好奇心をくすぐられたのが、⑨の箇所で、、、
著者はそれを調べるために、ある実験を行ったんだけど・・・
それが「最後通牒ゲーム」というもので・・・
どういったゲームかというと、、、、
このゲームで、著者は集めた実験協力者を全員「受け手」にして、二つのグループに分けて(AとBグループ)、提案を受け入れるか、拒否するのか、のデータを取った。
提案は一律、「送り手」が7,500円、「受け手」の実験協力者が2,500円という、不公平な提案であり・・・
Aグループ、Bグループには、それぞれ、その提案を判断する直前に、5分程度の映画のワンシーンを見せた。
Aグループには、簡単に言えば、“怒り”の感情をださせるような映画を・・・
Bグループには、簡単に言えば、“幸せ”の感情をださせるような映画を・・・
それぞれ見せた。
その結果、、、、
Aグループの方では、7500円対2500円の提案に対して、不当であるということで、拒否する実験協力者が多かったのに対して、、、
Bグループの方では、7500円対2500円の提案に対して、不公平な提案でありながらも、提案を受け入れる実験協力者が多かった、、、
ここまでであれば、人間は物事を判断するとき、大きく“感情”に左右される!・・・という結論で、終わってしまうんだけど、、、
おいらが、面白いなぁ~って思ったのは、この後、、、、
Aグループの提案を拒否した者に、この実験の同日に、かなりの時間が経った頃に(※要するに映画のワンシーンでわき上がった、怒りの感情が静まった頃に)、今度は「送り手」になってもらい。10,000円の分割の提案をしてもらい・・・
Bグループの提案を受け入れた者に、同様にこの実験同日の、かなりの時間が経った頃に、今度は「送り手」になってもらい。同様に分割の提案をしてもらった。
当初「受け手」のときには、映画のワンシーンを見ることで、Aグループは“怒り”の感情を持っていたことから、不公平な提案を拒否し、Bグループは“幸せ”な感情を持っていたことから、不公平な提案でも受け入れていた・・・
これはいっときの感情に流されての判断であったわけで、、、
時間が経ったことで、Aグループの人間もBグループの人間も、感情が落ち着いている状態なので、提案の内容にAとBで、大きな差が出てくることは考えられないはず・・・
しかし、この実験の結果、、、
Aグループの方は、Bグループよりも、より公平な提案をする傾向があり、、、
Bグループの方は、当初の7500円対2500円の分け方に近い提案をする傾向があったというのだ。
Aグループは、「受け手」の時に、提案を不公平だと思って拒否したことから、「送り手」になった時には、より公平な提案をしなければ、提案を受け入れてもらえないだろうと考え、、、
Bグループは、「受け手」の時に、提案を特段不公平だと強く感じずに、受け入れたことから、「送り手」になった時に、当初と同じくらいの提案をしても、受け入れてもらえるだろうと楽観的になっていたからと、考えられる。
長くなったけど、おいらがびっくりしたのは、人間はいっときの感情に流されて下した判断を、その後そのときの感情が消え去ってからも、同じような場面に遭遇した時には、かつて下した判断の影響を受け続けているってことなんだよね!
これが、個人的に非常に、しっくりきている節があって・・・
何かというと、出産前の嫁さんは、ホルモンバランスの乱れから、ちょっとしたことで、おいらにキレてたんだけど、、、現在出産を終えて、2ヶ月近く経過して、心身ともに正常時に戻ってきているんだけど、やっぱりちょっとしたことで、またおいらにキレることが多んだよね・・・
出産前は、明らかに、精神状態が落ち着いてなくて、一種の錯乱状態みたいなところあったんだけど・・・今は、落ち着いてきているから、怒った後に若干冷静になっている部分があるようで、おいらには「なんで、私怒っているんだろう?」とかって、表情になっていると感じる時があるんだよねwww
これはたぶん、この本のこの部分が、強く影響しているんだと思う。
過去出産前に、精神が落ち着いてないときに怒ったことを覚えていて、今現在、精神は落ちつているものの、「以前に、この事案は同様に怒ったことがある!今回も怒らねば!!」っていう記憶から、怒っているんだと思う。
そう考えると、、、「子供ができると、女性は強くなる」って、よく言われるけど、これは今回のような事柄をもとに、行動経済学的に説明がつく事象なんだろうと、思ったね~
うん、実に知的好奇心をくすぐられた本だった!!
今日はそんな感じですなぁ~
ほんじゃまた~( ´ ▽ ` )ノ
前回同じ著者の本を読んで、非常に知的好奇心をかき立てられる内容だったため、第二弾の本作を購入して、読破。
前作『予想どおりに不合理』
↓↓↓
http://meatbouzu.diarynote.jp/?theme_id=225
第一弾が結構人気だったとのことで、第二弾はその内容を薄めたものになっているのではないか?と若干心配していたが、全然そんなことなかった。
以下、記憶に残った部分を箇条書き
①一般に報酬が高くなるほど成績も上がるように思われるが、高すぎる報酬は、逆効果になる場合がある。とくに単純な仕事(力仕事系)よりも、認知スキル(計算・発想等を問われる仕事)が要求される課題の場合に、この傾向が強い。
②仕事への意味があると感じるか、ないと感じるかで、モチベーションに大きな違いが生じる。
③努力をかけて何かをこしらえると、その作品に愛着を感じて、過大評価をするようになる。
※インスタントラーメンを自分で作っても、自分の料理という認識は持てないが、卵と牛乳をいれてかき混ぜて、ちょっとした手間をかけて作るホットケーキは、インスタントラーメン同様に簡単に作れる料理であるが、自分の料理という認識(愛着)を持つことができる。
④自分で生み出したアイデアには愛着を感じ、高く評価してしまう。(自前主義バイアス)
※これにより、自分よりも優れた他人のアイデアを排除してしまうリスクが生じること。それからこの自前主義バイアスは、自分で考えたという思い込みでも生じる。
⑤人間は復讐をする際には、線条体という、報酬や喜びに関連して活動する部位が、活発に反応しており、一見不合理と思われる復讐という行為も、人間の奥深い本能であるということ。
⑥人間の順応能力は、自分が思っている以上である。
すごい良いことが思っても思ったほど幸せにはないないし、逆に、悪いことが起きてもそれほど不幸を感じない。
※順応する過程を中断すると、順応が遅くなる。これを利用して、厄介なことは一気に片付け(順応のスピードを高めて、厄介だと感じる気持ちにいち早く順応する)、楽しいことは休み休みやれば(順応が遅くなるので、楽しみが長く続く)、満足度が大いに高まる。
⑦容姿に恵まれた人は恵まれた人同士、恵まれない人は恵まれない人同士でつき合うことが多い。
※著者の実験の結果、、、
容姿に恵まれない人は、決してB専になっているわけではなかった、外見以外の魅力(性格とか)を重視して相手を探すことで、現実に順応していることが多いことがわかった。
⑧人はおおぜいの苦しみより、一人の苦しみの方に心を動かされるようにできている。
※遠い国で貧困から何千万人と死んでいっている子供達がいる・・・という情報よりも、自分の所属するコミニティーのより近くで起こっている、特定の子供が誘拐されている・・・とか川に溺れそうになっている・・・とかのほうが、心動かされる。
⑨感情はすぐに消えるが、いっときの感情に任せた決定が、長い間にわたって行動を左右することがある。
その章の重要部分を箇条書きしたので、これだけ見ても、なんも分かんないと思うんだけど・・・
個人的に、すごい知的好奇心をくすぐられたのが、⑨の箇所で、、、
著者はそれを調べるために、ある実験を行ったんだけど・・・
それが「最後通牒ゲーム」というもので・・・
どういったゲームかというと、、、、
このゲームは「送り手」と「受け手」の二人のプレイヤーで行うゲームで、二人は別々の部屋にいて、相手がだれかは知らされないでいる。
最初に実験者が「送り手」にお金を渡す。仮にこの金額を10,000円とする。
「送り手」はこのお金を、「受け手」とどのように分けるかを決める。
分け方は自由で、5,000円づつ山分けでも、自分の取り分を大きくして8,000円対2,000円にしても、その逆でも良い。
そしたら、今度は「受け手」がその提案を、受け入れるか、もしくは拒否することを選ぶ。
受け入れれば、二人はそれぞれ提案された金額を受け取ることができるが、拒否すれば、お金は実験者に没収されて、二人には一銭のお金も受け取ることができない・・・
このゲームで、著者は集めた実験協力者を全員「受け手」にして、二つのグループに分けて(AとBグループ)、提案を受け入れるか、拒否するのか、のデータを取った。
提案は一律、「送り手」が7,500円、「受け手」の実験協力者が2,500円という、不公平な提案であり・・・
Aグループ、Bグループには、それぞれ、その提案を判断する直前に、5分程度の映画のワンシーンを見せた。
Aグループには、簡単に言えば、“怒り”の感情をださせるような映画を・・・
Bグループには、簡単に言えば、“幸せ”の感情をださせるような映画を・・・
それぞれ見せた。
その結果、、、、
Aグループの方では、7500円対2500円の提案に対して、不当であるということで、拒否する実験協力者が多かったのに対して、、、
Bグループの方では、7500円対2500円の提案に対して、不公平な提案でありながらも、提案を受け入れる実験協力者が多かった、、、
ここまでであれば、人間は物事を判断するとき、大きく“感情”に左右される!・・・という結論で、終わってしまうんだけど、、、
おいらが、面白いなぁ~って思ったのは、この後、、、、
Aグループの提案を拒否した者に、この実験の同日に、かなりの時間が経った頃に(※要するに映画のワンシーンでわき上がった、怒りの感情が静まった頃に)、今度は「送り手」になってもらい。10,000円の分割の提案をしてもらい・・・
Bグループの提案を受け入れた者に、同様にこの実験同日の、かなりの時間が経った頃に、今度は「送り手」になってもらい。同様に分割の提案をしてもらった。
当初「受け手」のときには、映画のワンシーンを見ることで、Aグループは“怒り”の感情を持っていたことから、不公平な提案を拒否し、Bグループは“幸せ”な感情を持っていたことから、不公平な提案でも受け入れていた・・・
これはいっときの感情に流されての判断であったわけで、、、
時間が経ったことで、Aグループの人間もBグループの人間も、感情が落ち着いている状態なので、提案の内容にAとBで、大きな差が出てくることは考えられないはず・・・
しかし、この実験の結果、、、
Aグループの方は、Bグループよりも、より公平な提案をする傾向があり、、、
Bグループの方は、当初の7500円対2500円の分け方に近い提案をする傾向があったというのだ。
Aグループは、「受け手」の時に、提案を不公平だと思って拒否したことから、「送り手」になった時には、より公平な提案をしなければ、提案を受け入れてもらえないだろうと考え、、、
Bグループは、「受け手」の時に、提案を特段不公平だと強く感じずに、受け入れたことから、「送り手」になった時に、当初と同じくらいの提案をしても、受け入れてもらえるだろうと楽観的になっていたからと、考えられる。
長くなったけど、おいらがびっくりしたのは、人間はいっときの感情に流されて下した判断を、その後そのときの感情が消え去ってからも、同じような場面に遭遇した時には、かつて下した判断の影響を受け続けているってことなんだよね!
これが、個人的に非常に、しっくりきている節があって・・・
何かというと、出産前の嫁さんは、ホルモンバランスの乱れから、ちょっとしたことで、おいらにキレてたんだけど、、、現在出産を終えて、2ヶ月近く経過して、心身ともに正常時に戻ってきているんだけど、やっぱりちょっとしたことで、またおいらにキレることが多んだよね・・・
出産前は、明らかに、精神状態が落ち着いてなくて、一種の錯乱状態みたいなところあったんだけど・・・今は、落ち着いてきているから、怒った後に若干冷静になっている部分があるようで、おいらには「なんで、私怒っているんだろう?」とかって、表情になっていると感じる時があるんだよねwww
これはたぶん、この本のこの部分が、強く影響しているんだと思う。
過去出産前に、精神が落ち着いてないときに怒ったことを覚えていて、今現在、精神は落ちつているものの、「以前に、この事案は同様に怒ったことがある!今回も怒らねば!!」っていう記憶から、怒っているんだと思う。
そう考えると、、、「子供ができると、女性は強くなる」って、よく言われるけど、これは今回のような事柄をもとに、行動経済学的に説明がつく事象なんだろうと、思ったね~
うん、実に知的好奇心をくすぐられた本だった!!
今日はそんな感じですなぁ~
ほんじゃまた~( ´ ▽ ` )ノ
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