いやぁ~久しぶりの読書感想文だわぁ~

というのも、ここもと会社の中での資格試験があったりしてそのテスト勉強だったり、日々のMOでのスタンの調整で時間が取られてしまっていてね~


そして今回読んだのが、2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの著書『ファスト&スロー』。副題として“あなたの意思はどのように決まるのか?”と書かれていて、個人的な知的好奇心対象である“人間の判断”に関して非常に深く研究をされた一冊。


この記事を読む需要は無いのはわかっているが、読了後にこうやって記事に書くことで、おいらの理解度習熟に繋がるので今回も書く!!誰に言われるでも書く!!




まず本書の冒頭にはこういった質問から始まる・・・


「スティーブはとても内気で引っ込み思案だ。いつも頼りにはなるが、基本的に他人には関心がなく、現実の世界にも興味がないらしい。物静かで優しく、秩序や整理整頓を好み、こまかいことにこだわる。」さてスティーブは図書館司書でしょうか?それとも農家でしょうか?



これを読んで、だれもがスティーブの性格が図書館司書にピッタリであると思うはずだ、しかしこの質問に答える際に重要な統計学データを誰しもが忘れてしまう、、、それは米国では男性の図書館司書1人に対して農業従事者は20人以上いるという事実だ。




この質問からわかるように、人間には直感から非常に影響を受ける。

人間は判断をするときに、その物事を考える上で2つの方法をとっていることを著者は重要視している。

その2つとは本書では便宜上、“システム1”と“システム2”といい分けている。


“システム1”はいわゆる上記のような質問をされた瞬間に、反射的にかつ自動的に脳で答えを出してしまう脳のシステムのことをいう。

例えば、、、赤い野菜と言えばなんですか?とか、2+2はなんですか?とか、日々の歩いたり、空いている直線の道で自動車を運転したりすることも、このシステム1が関係している。

要するに自動的に、なんの苦労もせずとも答えが分かってしまう(答えを出してしまう)事柄だ。

それに対して“システム2”は、すぐには答えは出ない質問だったり、すこし注意力が必要な行動だったりをするときに使っている脳のシステムである。

具体的には、381×526は?だったり、狭い駐車場に車を停めるときの行動だったり(ベテランドライバーでは無いとする)、、本のあるページの中にいくつ“あ”という文字が存在するかを調べたりする時だったりする、、、


だから若干は人によって、同じ問題でもシステム1になったり、システム2になったりする。きっとインド人にとっては14×13みたいな掛け算はシステム1で答えが出てくるのかもしれないが、9の段の掛け算しか勉強していない日本人にとってはシステム2になってくるはずだ。


要するに、それまではシステム2で判断していた問題でも、その事柄に習熟してくるとシステム1で判断ができるようになるのだ。勉強のできるできないを著者が調べた結果、頭の良い人ほど脳の中でシステム1を多く使用して、テストの問題を解いているという結果がわかったという。


システム2の問題に解いている時に人間は瞳孔を広げるという傾向があるらしく、その難易度が上がれば上がるほど瞳孔は広がっていくという調査結果が出ている。だから頭の良い人ほど試験中に瞳孔を大きく開けない、かつ脳を少量しか稼働させていないということらしい。


また興味深いのは、システム2を使うと消耗することも実験で分かっている。システム2を消耗することで判断に悪影響を及ぼすことを調査した実験として、仮釈放判定人の実験例がある。

※仮釈放判定人は一日中、仮釈放申請書の審査をしていて、審査にかける時間は平均6分程度、この受刑者をはたして仮釈放して良いかどうか?を判断している。(仮釈放は却下が前提の審査で平均して35%の認可率しかない)

実験では仮釈放判定人の時間帯別の認可率を調べて、朝・昼・夕の食後の時間帯が一番認可率が高く65%の認可率になっていた。

この実験から、空腹になってくるのに比例して、仮釈放判定人のシステム2を酷使した結果、安易な初期設定である“不認可”を選択する傾向が強くなっていったと考えるというものだ。



また脳は面倒臭がり屋で、システム2は意識をしないと使われないということも分かっている。

例えば、、、


バットとボールは合わせて1100円です。
バットはボールより1000円高いです。
ではボールはいくらでしょう?




この質問を聞いてパッと答えが浮かんだと思うが、その答えはシステム1で反射的に出たものになっていることが多い、、、

どういうことかと言うと、正解は50円であるが、システム1で安易に1100から1000をひいて100円という結論が出てしまうのだ。

この問題の正解が50円ということは、すこし考えてみればなんの疑いの余地もなく理解できるのだが、この反射的にシステム1を使用して誤った答えを出してしまう傾向はどんな人間でもある。非常に偏差値の高い大学の学生であっても、この手の質問には間違った正解を出してしまうのが実験でわかっている。




また人間は自分の表情や行動に感情が伴っていなくとも、その後に感情・判断がついてくる傾向があることもわかっている。

これは、意識的に口角をあげてギャグ漫画を読んだり、コメディー番組を見ていると、そうでない時と比較して楽しい気持ちになりやすいことがわかっている。

またある実験では、オーディオ装置の音質チェックだと称して、被験者にヘッドホンでメッセージを聞くように指示をした。ただ聞くのでなく、音のゆがみを調べるために、聞きながら頭を何度も動かす。被験者の半数は頭を上下に、残りの半数は左右に振る。この条件でラジオの論説番組を聞いてもらったところ、上下すなわち頷く動作をしたグループは論説に賛成し、左右すなわち否定の動作をしたグループは反対する傾向が強かったという。

人間の脳は判断する材料として、それまでの行動だったり、表情と関連付けてしまうということがわかる。一切自分の考えとはかけ離れたところで判断が決まってしまう場合があると思うと、不気味に感じてくるところではある、、、



上記のようなそれまでの自分の考えに自然と介入されてしまう方法が他にもある。

それはアンカリングという方法だ、、、


例えばこんな質問、、、


ガンジーが亡くなったとき、144歳より上でしたか、下でしたか?
ガンジーは何歳で亡くなりましたか?


こんな二つの連続の質問をされたとき、まず第一の質問では常識的な人間であるば、ほぼ100%で「亡くなったのは144歳よりも下」を選択するだろう。

その後に第二の質問をされたところで、第一の質問のときの144という数字を参考に考える人間はいないはずだ、、、しかし、明確に上記の質問を連続でする場合のガンジーの亡くなった予想の年齢と、「ガンジーは何歳で亡くなりましたか?」の質問単独の場合での予想年齢とでは大きな違いが出た。


人間は自分では意識せずとも、その前後の数字に判断の基準を持って行かれてしまっている。


ビジネスの世界でもアンカリングをうまく使った手法がとられていることがある。
あるスーパーマーケットでスープ缶のセールを行った際に、「お一人さま12缶まで」と張り紙が出されたときと、「お一人さま何個でも購入可」と張り紙が出された時とでは、前者の方が平均購入個数は2倍に達したという。



その他にも、後知恵バイアスという研究テーマが興味深い。

これは人間の脳の一般的な限界として、過去における自分の理解の状態や過去に持っていた自分の意見を正確に再構築できないということが挙げられる。新たな世界観をたとえ部分的にせよ採用したとたん、その直前まで自分がどう考えていたのか、もはやほとんど思い出せなくなっている。

このテーマに対しての実験としては、賛否両論が相半ばしているような問題、、、たとえば死刑の是非などを取り上げ、被験者の意見を慎重に見極める。次に説得力のある死刑賛成論、または反対論を聞かせ、その後に再び意見を確かめる。すると被験者の意見は、その説得力のある説に近づいていることが多い。そして最後に、自分が最初に抱いていた意見はどんなものだったのかを報告してもらうのだが、このタスクは非常に難しいことがわかっている。




正直、ここまで書いてきた内容も本書の中のほんの一部のエッセンスだけなので、もっともっと興味深くて面白い部分もあるのだが、とりあえず上巻はここまで~

下巻も読了しているので、需要はないけど書く!!書きたいから書く!!!



今日はそんな感じ~~♪♪


ではでは(´∀`*)ノシ バイバイ

コメント

Estuary
2017年3月13日8:45

面白かった!アンカリングの手法、なんかでうまいこと使えそうな、、、

saphir
2017年3月13日20:29

こういう本だったのかぁ

ミートボウズ
2017年3月13日22:31

>>Estuaryさん
あざっす、需要が無いとは知りながらも、長時間かけて書いた文、少しでもためになったようなことがコメントされると救われる部分があります・・・
いろいろ活用できると思うんですよね~、活用できないまでも日常で自分自身がアンカリングにうまく引っかかってしまいそうになるのを防げるようになれれば良いかなぁ~っと思いますね、、、

それとも悪用方法がなにか見つかれば、教えてくださいw


>>saphirさん
こういう本だったのです、気が向いたらではありますが、近いうちに下巻の感想文も書く予定です。よかったらその時に読んでくださいm(- - )m

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