【読書感想文】 『ぼぎわんが、来る』 著:澤村伊智
【読書感想文】 『ぼぎわんが、来る』 著:澤村伊智
【読書感想文】 『ぼぎわんが、来る』 著:澤村伊智
今回は久しぶりにノンフィクション系じゃなくて、小説を買ってみましたー


今回の作品は角川ホラー文庫から出ている本で、第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作。


この小説賞の過去の大賞作で、貴志祐介の『黒い家』を読んでからというもの、ホラー小説にどっぷりとハマったのは中学校の時・・・


怖いものって正直あんまり好きじゃなし、リングとかのホラーもののドラマ?映画?が流行った時も全然興味はわかずに見ることなく過ごしてきたんですが、ホラー小説は別物なんですよ!


なんつーか、おいらにとってはホラー小説はケーキみたいなものというか、、、? 映像や音響で人間を驚かすって結構簡単だと思うんですわ。静かなところから一気に大音量出して、ビクッてさせてみたりすること。他にもここからお化け出てくるんじゃないか・・・と期待させておいて、そこから出てこないで別のところから突然出てくるとかね。



個人的な思いとしては、“字を読ませるだけで人間を怖がらせることはすごいことじゃないか?”ってこと。字を読むだけだから、突然『バンッ!!』っと大音量で驚かせるわけにもいかないし、映像としてすごーい不気味なものを見せるわけにもいかない、、、その字を読んでいる人に想像してもらって怖がってもらわないといけないんですよ~



つーわけで、ホラー映画は全然見ないおいらがホラー小説は好きだということを理屈っぽく説明することを冒頭に書かせてもらいましたが、中学生にホラー小説にどハマリした以降も、角川ホラー小説の大賞作品や受賞作品は結構チェックはしていたんですよ。

まぁー振り返るとここ4~5年は、転職等やもっと理屈っぽいノンフィクション系の読書に傾斜していたことで、ホラー小説を読んでいなかったんですけどね。


そんでやっと今回読んだ『ぼぎわんが、来る』の感想に入るんですが、、、



うん、怖くっておもしろい!!
(ホラー小説の正しい褒め方w)




そーそー、本屋でこの本を購入したというのも、この作品を原作とした映画がちょうど2018年12月から公開しているそうで、平積みされていたんですよ。




もし、この作品を小説なり映画で見る可能性がある方は以下のおいらの感想文はネタバレする部分がありますので、ここで戻ってください!!




















本当に見ちゃっていいんですか?














結構おもしろいですよ、、、無駄にすることになっちゃいますよ?






















もう、ここまで釘指しといたんで、後になって文句は受け付けませんよw



そーそー、Amazonに書いてある内容紹介をコピペしておきますねー


内容紹介

映画化決定! 全選考委員が絶賛した第22回日本ホラー小説大賞受賞作!

中島哲也監督による映画化決定! 空前絶後のノンストップ・ホラー、待望の文庫化!
映画タイトル:「来る」 公開:2018年12月 配給:東宝
出演:岡田准一 黒木華 小松菜奈/松たか子/妻夫木聡

幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。
それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。原因不明の怪我を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。
その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、今は亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか?
愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。
真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。

“あれ”からは決して逃れられない――。綾辻行人・貴志祐介・宮部みゆきら絶賛の第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作!








もう一度聞きますが、ネタバレしちゃってもいいんですね?




















もうこれ以上はクドイですねw 失礼しましたm(_ _)m



この作品3部構成になっていて、第一章はサラリーマンの田原が“ぼぎわん”というお化けに狙われているということから話が展開する。

田原は妻と子どもの3人家族で、ぼぎわんの迫り来る恐怖から何とか妻と子どもを守ろうと奮闘する。


言うならば、第一章は超絶スタンダードなホラー小説、ホラーもののベタな展開なんですw


そんでもってネタバレしちゃうんですが、第一章の最後に主人公の田原は“ぼぎわん”に殺害されます・・・



第二章を読み始めた時には、あれっ、この本って短編小説だったの?っていう感覚で読み始めるんですが、どうやら登場人物は第一章で出てきた同じ人物名が出てきているし、、、どういうこと?という疑問から読み始めるんですが、主人公が田原から田原の妻の香奈に変わっていることがわかるんです。。。


こういうのってメタフィクションとかって言うんですっけ?



でもって、ここからが第一章のスタンダードなお化けの迫り来る恐怖とは別の恐怖、、、“人間性の恐怖”が展開するわけなんです!!


いやーそうくるかぁ!?って感じになったんですが、第一章では妻と子ども思いのイクメンパパとして田原が描かれているんですが、第二章の香奈が主人公になってから、その田原の行動が香奈にとっては到底受け入れられるものではなかったという事実が描かれ始めるんです!!


決して田原が浮気をしていたとか、香奈に不義理を働いていたとかではなく、熱心に育児に取り組む田原の姿勢が妻の香奈にとって受け入れられるもので無かったという事実が、、、


この作品第二章過ぎた頃から、おもしろさと怖さが一気に加速します。



お化けがいつ出てくるのか?とか、お化けが迫り来る恐怖よりも、第三者から見たらいたってフツーの夫婦だけれども、その内面を掘り起こすと大きな溝が存在していたっていう方が個人的には恐怖を感じますね。


でもって、じゃー三部構成になっていることから、第二章で香奈が殺害されて、第三章はその子どもの知紗が主人公になるのかなぁ~?なんて安直に考えていたんですが、もちろんそこはさすが角川ホラー小説大賞受賞作品だけあって、そんなベタな展開はありませんww


それにしてもこの作品、子どもに対しての強い思いを一貫して感じる、、、
作者が子育てのときに夫婦間で何かあったのか? 子どもが欲しいけれど出来なかったのか? はたまた、、、??

どうやらネットで検索するとこの作者男性なので、第二章の香奈の視点は男性から見た女性視点なのかぁ~って感心したりしました。



この他にもあーそれってそういう伏線なのかぁーー!?っていうゾクッとくる展開が随所に散らばめてあって、読んでいてすっかりファンになってしまったので、本作がデビュー作ということですから、別の作品も読んでいきたいと思っております。


あーそうそう、基本的にこの作品のおもしろさは間違いないんだけど、第三章の最後の最後の“ぼぎわん”との戦闘シーンはもっと簡潔でも良かったというのが個人的な感想、、、お化けって描写をしっかり書いても怖くなくなっちゃうし、見たことがないものな分、読んで想像する読者側も結構“想像疲れ”しちゃうと思うんですわ~




うん、けども総括して久しぶりに良いホラー小説を読んだことは事実っ!!!



おすすめですっ!!!


コメント

クソジジイ
2019年1月14日14:50

映画観てまあまあ面白かったので、小説読んだよ。
映画の方は第二部から結構違う展開。
小説は読みやすさもあって一気読みで、続刊も読んだけど
評価は別れそうかなー(個人的には好き)。

小説のシリーズ三作目の長編(ししりば)は、なんか
入手困難?

ミートボウズ
2019年1月14日22:44

>>S野さん
流石ですっ!!
メタフィクション好きのS野さんとしては、当然押さえているわけですね~♪

今現在二作目の『ずうのめ人形』を買ってきて読んでいるところです。
まぁーどうしたって最初の作品のレベルが高いから、それを基準に考えられてしまうんだろうけど、2作品目も山本周五郎賞の候補作品?受賞作品?になったくらいのようなので期待しているところですっ!!

この現代において、入手困難な本があるだとっ!!?気になりますね~

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