【読書感想文】 『ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ1&2』 著:茂木誠
【読書感想文】 『ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ1&2』 著:茂木誠
年度末&年度スタートの仕事の忙しさで溜まるストレスを読書で解消する、、、

ストレス発散と知識向上が同時にできるなんてぇ~ワンダフーーーール!!!!




はぁはぁ、、、(;´∀`)




今回読んだのは、新書2冊。


個人的にはこれまで読む機会の無かったジャンルの本。この著者は予備校の世界史の講師で、圧倒的な“世界史の知識”を基盤にして、現代の国際情勢を読み解いていこうという本。


私もこれまでニュースで、ISとかテロ、ヨーロッパの移民問題、ブリクジット・・・等々、単語の意味は分かっていても、なぜそういう事態が起こっているのか?まで、“問題の本質”の部分まではよく分かっていないことがあったが、そういった事柄がどういった背景をもとに起こっているのかがよ~くわかった。


テレビの評論家だったら、最低この本の知識は知った上で議論を展開してくれよ~くらいに思ったね。




いつもだったら、この手の本を読んだ時には、本文の興味を持った部分だったり、勉強になった部分だったりを箇条書きにしていくんだけど、あまりにも赤のマーカーを引いた部分が多過ぎるので、線を引いた中でも厳選して箇条書きにすることにします。



それでは以下、列挙していきます・・・






これまでの世界を振り返ってみると、主な紛争は、異なる文明圏の『境目』で起きている。



キリスト教とイスラム教は、どちらもユダヤ教から分かれた宗教です。



親戚関係ほど揉めるとやっかいだといいますが、宗教も同じです。イスラム教と仏教のように世界観がまるで違う宗教では、議論がそもそもかみ合いません。まったく違う思想なので、ケンカのしようがないのです。



今ヨーロッパで起こっている紛争の根本原因は、「いったいどこまでがヨーロッパなのか」という点に尽きます。




平和主義者は舐められる、というのが世界史の教訓なのです。




イギリスやフランスは、絶対にギリシアをロシア側につけたくない。だからロシアの何倍もギリシアを支援して、なんとかギリシアを仲間として引き止めようと頑張るのです。この状態は、ギリシアから見れば、実においしい話なのです・・・(中略)・・・国民の4分の1が公務員という異常事態に陥ってしまいました。




イタリアやスペイン、ポルトガルといった南ヨーロッパの国々が財政赤字に陥った原因は、彼らが信じるキリスト教のカトリック教会の教えにあるのです。中世のカトリック教会は、「蓄財は罪」と教えました。・・・(中略)・・・こうした教えを公然と否定したのが、ドイツのルターとスイスのカルヴァンです。いわゆる宗教改革ですね。彼らの教えを信じる新しいキルスト教徒を総称してプロテスタント(新教徒)といいます。・・・(中略)・・・アメリカ合衆国が経済的な発展を遂げて、世界一の経済大国にのし上がったのもプロテスタントという宗教がバックグラウンドがあったからです。アメリカ合衆国をつくったのは、主にイギリス系移民のプロテスタントでした。・・・(中略)・・・同時期に中南米に乗り込んでいったのは、スペイン人とポルトガル人。つまりカトリック教徒だった。





仕事もない、白人からは排斥される。移民の若者たちが、ネットを通じてIS(イスラム国)の宣伝ビデオを見たとき、そこに「自分の居場所」を感じてしまう。




イスラム教において、ムハンマドの血統を重視するのがシーア派、教典を重視するのがスンナ派。スンナ派の中でも「時代によって、もっとフレキシブルに教典を解釈してもいいのではないか」という世俗主義的考え方がある一方、この世俗主義に真っ向から対立するのが、イスラム原理主義。



イスラム原理主義のような考え方が初めて起きたのは、13世紀のモンゴル帝国の侵略のとき、日本においてペリー来航に衝撃を受けた幕末の日本人が、「尊皇攘夷」を掲げて外国を襲撃したのと同じメンタリティー。




米国においての二大政党制、共和党の支持基盤は①軍需産業、②草の根保守、③福音派。民主党の支持基盤は①金融資本、②移民労働者(労働組合)、③アフリカ系移民(黒人)。




1990年代の江沢民政権の時代に、反日教育が本格的に始まって大成功します。
中国政府が「靖国参拝はけしからん」と騒ぎ出したのは、反日教育が行われるようになってから。




輸出大国のドイツは、ユーロ安によって国が潤うのです。移民・難民の受け入れによってドイツ産業は潤い、ユーロの暴落でもドイツ産業は潤う。いい方は悪いですが、ドイツは他人の不幸で儲かっているのです。





なぜイギリスは国民投票を実施することになったのか。それは当時のイギリスのキャメロン政権に対して、EU側(実質的にはドイツ)が、「イギリスはもっと責任を果たすべきだ」とプレッシャーをかけていたところだったから。




中国人の「爆買い」は、外国資本と中国共産党の地方幹部との間で癒着が起こっていたから、、、




北方領土の主権を日本が取り返したいのなら、もう一度ロシアと戦争をして、勝利するしか道はないでしょう。








こんなところですかね~



数箇所、世界史という過去の事実をもとに、強引なこじつけにより理論を展開してしまっているのではないだろうか??と感じる箇所もあったのですが、そこは私の知識の無さにより反論さえできないので、ひとまず著者の展開する理論でそのまま受け入れようと思った箇所もありましたね。


けれど、そういった箇所は本当に数える程度で、それ以外は世界史というバックボーンをもとに事実を解説してもらえるので、理解が非常に早く出来ました。


さすが予備校の講師といったところでしょうか?確かにこんな先生の授業なら、眠くならずに済みそうです。



最初の第一弾が2015年刊行で、第二弾が2017年の刊行ということで、前者はもう情報として古いので読む意味が薄いのかなぁ~なんて思ってしまったんですが、全然そんなことなかったですね。気になった方は是非とも順番に2冊とも読んでいただいた方がよいと思います。



平成もそろそろ終わり、新しい令和という時代になる中において、ブリグジットやトランプ政権など、世界情勢の孤立主義が目立つようになり始めた昨今・・・
世界を眺める上で、必要最低限の知識を取り入れることの出来る良著だと感じた。




今回はそんな感じです。



ではでは(´∀`*)ノシ バイバイ

コメント

hanimaru
2019年4月22日18:37

私、他国の失敗が原因で美味しい思いしているドイツに住んでいますw。もう帰国するかもしれませんが。マジックに国境は無いと今でも思ってますが、そういえばイスラム教徒のプレイヤーは見たことないですね。やはり西欧の趣味なのかでしょうね。西洋史やキリスト教VSイスラム教に興味ありましたら、今映画館で上映している「バイス」はおすすめです。すっごく面白かった。

ミートボウズ
2019年4月22日22:18

>>hamimaruさん
ドイツ在住の国際的な視野を持ったMTGプレイヤーさんだったとは(゚o゚;;
この本をきっかけに個人的に勉強の分野において、“歴史”の重要度はあがりましたね。おすすめしてもらった「バイス」ですが、調べてみたら確かに実に興味深そうな映画ですね!いかんせん難易度が高そうで万人受けする映画ではないと見えて、おいらが住んでいるような地方では公開している映画館がないようなのですが、いずれ何かしらの形で見たいと思います。教えてくださりありがとうございます。

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索