【読書感想文】 『上級国民/下級国民』 著:橘玲
2019年9月23日 読書
個人的に安定の橘玲さんの最新新書。
この著書で論じているのは、「知識社会化」「リベラル化」「グローバル化」の3つの大きな潮流が世界で起きていることで、日本に限らず各国で『下級国民』の存在が目立つようになってきていること、上級国民と下級国民の分断が進んでいることです。
冒頭、橘さんは「平成の30年間をひと言でまとめるなら、日本がどんどん貧乏くさくなった時代」と言っています。
それは一人当たりの名目GDPが2001年の2位から、2018年の26位まで下がっていることなどから言っているます。
とりわけ平成の日本の労働市場で起こった変化は、若者(特に男性)の雇用を破壊することで中高年(団塊の世代)の雇用が守られたことがあげられるそうです。
そして、現在の日本でのひきこもりの人数は、内閣府での発表では100万人とされていますが、データをもとに500万人ほどいるのではないか?と論じています。
そして、日本では「モテと非モテ」の分断が進んでいるということも論じられています。
まずデータにおいて、2015年の50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合が生涯未婚率であり、この率が男性が23.4%に対して女性14.1%だそうです。
これってかなり差がありませんか?
正直この手のデータは私も前から知っていて、そのたびに「女性が虚偽の回答をしている」ことによって、データに差があるのでは? なんてうがった見方をしておりました。
しかし、橘さんはこのデータをこう読み解いております。
現代社会は「事実上の一夫多妻制」
これは、一夫一妻制の日本の結婚制度を守っていない男性がいる、という話ではなく、離婚した男性の一部が、(若い)女性と再婚しているケースが多くなってきているからだと説明しています。
これにより、結婚と離婚を繰り返す「事実上の一夫多妻」が先進国ではデータに現れてきているというこのなのです。
そういった「モテ/非モテ」の見方から世界も、上級国民と下級国民の差異が出てきているわけですね。
「知識社会化」「リベラル化」「グローバル化」の3つの潮流があると言いましたが、これを私なりの言葉で簡潔に言うならば、、、
「知識社会化」・・・勉強の出来不出来で、進学する学校が変わり、それによって就職する会社も変わり、上級国民と下級国民の分断が進む。
「リベラル化」・・・国が福祉を国民に提供してくれるよりも、自己責任で生きていくという風潮の方が強くなり、そこで弱肉強食の理論が生まれ、上級国民と下級国民の分断が進む。
「グローバル化」・・・資本主義の理論に則って、経済活動で弱肉強食がすすみ、上級国民と下級国民の分断が進む。
こんなところでしょか。
ここで2つ目の「リベラル化」する社会がすすむ要因として、筆者がデータをもとに論じている内容は非常に危機を感じる内容でした。
それは、「リベラル化」した社会を望む国民層としてあげられるのが、勉強ができて良い就職ができるエリートの男性と、以外にも勉強ができず就職が悪条件で、収入が安定していない貧困な男性との相反する層だからということです。
「自分の好きなように生きる」という分断を進める社会基盤は、皮肉にもヤンキーとエリートという上級国民と下級国民の支持によって、さらにその分断が進んでいるというのです。
いやー、橘さんの『言ってはいけない』(新潮新書)も、『もっと言ってはいけない』(新潮新書)も楽しかったですが、今作も同様に楽しかったですね~
内容も被る部分もあるんではないか?と懸念していましたが、主張こそ前作と同様ですが、その主張を支えるデータや引用も新しいもので、さらに理解を深めることと楽しく読むことが併せてできました。
今日はそんな感じでーす
ではでは(´∀`*)ノシ バイバイ
この著書で論じているのは、「知識社会化」「リベラル化」「グローバル化」の3つの大きな潮流が世界で起きていることで、日本に限らず各国で『下級国民』の存在が目立つようになってきていること、上級国民と下級国民の分断が進んでいることです。
冒頭、橘さんは「平成の30年間をひと言でまとめるなら、日本がどんどん貧乏くさくなった時代」と言っています。
それは一人当たりの名目GDPが2001年の2位から、2018年の26位まで下がっていることなどから言っているます。
とりわけ平成の日本の労働市場で起こった変化は、若者(特に男性)の雇用を破壊することで中高年(団塊の世代)の雇用が守られたことがあげられるそうです。
そして、現在の日本でのひきこもりの人数は、内閣府での発表では100万人とされていますが、データをもとに500万人ほどいるのではないか?と論じています。
そして、日本では「モテと非モテ」の分断が進んでいるということも論じられています。
まずデータにおいて、2015年の50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合が生涯未婚率であり、この率が男性が23.4%に対して女性14.1%だそうです。
これってかなり差がありませんか?
正直この手のデータは私も前から知っていて、そのたびに「女性が虚偽の回答をしている」ことによって、データに差があるのでは? なんてうがった見方をしておりました。
しかし、橘さんはこのデータをこう読み解いております。
現代社会は「事実上の一夫多妻制」
これは、一夫一妻制の日本の結婚制度を守っていない男性がいる、という話ではなく、離婚した男性の一部が、(若い)女性と再婚しているケースが多くなってきているからだと説明しています。
これにより、結婚と離婚を繰り返す「事実上の一夫多妻」が先進国ではデータに現れてきているというこのなのです。
そういった「モテ/非モテ」の見方から世界も、上級国民と下級国民の差異が出てきているわけですね。
「知識社会化」「リベラル化」「グローバル化」の3つの潮流があると言いましたが、これを私なりの言葉で簡潔に言うならば、、、
「知識社会化」・・・勉強の出来不出来で、進学する学校が変わり、それによって就職する会社も変わり、上級国民と下級国民の分断が進む。
「リベラル化」・・・国が福祉を国民に提供してくれるよりも、自己責任で生きていくという風潮の方が強くなり、そこで弱肉強食の理論が生まれ、上級国民と下級国民の分断が進む。
「グローバル化」・・・資本主義の理論に則って、経済活動で弱肉強食がすすみ、上級国民と下級国民の分断が進む。
こんなところでしょか。
ここで2つ目の「リベラル化」する社会がすすむ要因として、筆者がデータをもとに論じている内容は非常に危機を感じる内容でした。
それは、「リベラル化」した社会を望む国民層としてあげられるのが、勉強ができて良い就職ができるエリートの男性と、以外にも勉強ができず就職が悪条件で、収入が安定していない貧困な男性との相反する層だからということです。
「自分の好きなように生きる」という分断を進める社会基盤は、皮肉にもヤンキーとエリートという上級国民と下級国民の支持によって、さらにその分断が進んでいるというのです。
いやー、橘さんの『言ってはいけない』(新潮新書)も、『もっと言ってはいけない』(新潮新書)も楽しかったですが、今作も同様に楽しかったですね~
内容も被る部分もあるんではないか?と懸念していましたが、主張こそ前作と同様ですが、その主張を支えるデータや引用も新しいもので、さらに理解を深めることと楽しく読むことが併せてできました。
今日はそんな感じでーす
ではでは(´∀`*)ノシ バイバイ
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