【読書感想文】 『おとなの教養2 ~私たちはいま、どこにいるのか?~』 池上彰
2020年3月14日 読書
どもども、一週間の間に読了したものを週末にDNにアウトプットする習慣ができつつある、そんなおいらです。
今回読んだのは、池上彰さんの『おとなの教養2~私たちはいま、どこにいるのか?』です。
ちょっと前にこの作品の第一弾にあたる本も書きました。
【読書感想文】 『おとなの教養 ~私たちはどこから来て、どこへ行くのか?~』 池上彰
↓↓↓
https://meatbouzu.diarynote.jp/202002221937172575/
つーわけで、前作同様今回も池上さんが、大人だったら知っておきたい6つのテーマに関して、超絶わかりやすく解説してくれております。
その6つのテーマというのが、①AIとビッグデータ、②キャッシュレス社会と仮想通貨、③想像の共同体、④地政学、⑤ポピュリズム、⑥日本国憲法、です。
それではいつも通り、この本を読んで興味深かった部分を書き出していきます。
①AIとビッグデータ
まず最初はAIとビッグデータということで、最先端のサイエンスを題材にした項目です。
近年AIが発達していって、将来に駆逐される職業はどれか?みたいな議論が盛んにされていますが、池上さんの解説によると、現在のAIは「特化型人工知能」と言って、チェスをうつAIのように、ある利用用途に特化したAIしかなにのに対して、2045年頃にはシンギュラリティといって「汎用型人工知能」が誕生すると言われているそうです。
この汎用型人工知能というのが画期的なのが、AIが自律的思考できるようになるという部分で、それによってAIが人間を超える時代が来る、現在ある職業の多くがAIによって代替可能になると言われるそうです。
まず最初に言っておくと、池上さんはAIやビッグデータに関しては、否定的です。
ビッグデータの活用に関しては、企業がビッグデータを活用して採用試験をすると、これまでの社員とほぼ同じような経歴の人ばかりを採用しちゃうことになるとか、警察がビッグデータを活用して犯罪防止に利用すると、犯罪頻度の高い地域・時間帯にパトロールをして、今までだったら職質しないような人にまで疑いをかけ、そこで何かしらの摘発する事案が重なれば、ビッグデータの中にその地域・時間帯での犯罪頻度がさらに高いと記録されて、さらにパトロール人数が増えるという悪循環になりかねない、と切り捨てます。
まぁー確かにそうで、ビッグデータに任せておけば自分の判断よりも、正しい判断ができると考えるのは早計なんだろうなと思いました。
そこで本書では、ビッグデータでの分析にはもとになるデータに偏ったベクトルが入っていないことが重要だとしています。
そして①AIの分析力、②ビッグデータ、③キャッシュレス社会の、3つのサイエンスが発達していくことにより、国民全ての行動を監視することができる世界が来ると読者を引きつけて、第一章を終わります。
掴みはオッケーって感じですw
②キャッシュレス社会と仮想通貨
お次の項目はキャッシュレス社会と仮想通貨ということで、冒頭お金とは何か?という問いを投げかけ、その答えとしてお金とは「共同幻想」であると定義しています。
みんながお金を信頼しているから、お金はお金なんだよね~ってことです。
キャッシュレス社会の話は早々に、仮想通貨の話になって、仮想通貨のブロックチェーンだったり、マイニングという用語の解説を本書内でわかりやすく説明してくれてますので、知りたい人は買って読んでください。
私がへぇ~っと思ったのは、2017年9月に中国は仮想通貨の使用を禁止にしているってこと、確かに新聞で中国はデジタル人民元の発行に向けて動いているみたいな記事をよく目にするので、中国にとって自国の通貨「元」以外の仮想通貨は排除すべきことなんでしょう。
③想像の共同体
第一章と第二章は、最先端のテクノロジーで自分たちの生活がどう変わるか?という主眼でしたが、第三章からは池上さんお得意の“政治”や“国際情勢”に関してのテーマになってきます。
第三章の想像の共同体というのは、人間のもつ民族意識とは何か?ということです。
池上さんはこの民族意識もお金と同様「共同幻想」だと定義します。
この民族意識というのは、言語、国家、宗教、民族固有の物語・・・などをきっかけにして形成されるとしています。
正直私たち日本人には一番ピンと来ないものだと思います。日本で生まれて日本で生活して、周りも日本人ばかり・・・
本書では第一次対戦下において、イギリスの三枚舌外交によって振り回され、期待を裏切られたことをきっかけに民族意識が加熱して、現在においても争いが絶えなくなってしまっている中東情勢を理解しやすくまとめています。
④地政学
ここでは中国の一帯一路構想のやり口だったり、国際情勢を知る上での「敵の敵は味方」理論を説明してくれています。
「敵の敵は味方」というのは、例えばAという国とBという国が対立をしているときに、Cという別の国にとってはBの国は敵対視をしている場合、それほど友好的でないAの国とCが手を組むようになるという動きをいいます。
わかりにくいと思うんで、本書であげている例を挙げると、北方領土問題で日本とロシアは対立をしていますが、中国は対ロシアのために北方領土問題に関しては日本の味方をしているという事例が書かれています。
仲が悪そうに見える日中関係ですが、そんな中においてもロシアに対抗するために中国は北方領土を日本の領土と認めているという事実は、池上さんの解説がなければ理解ができませんでしたね~
⑤ポピュリズム
最近話題のポピュリズムです。
まずポピュリズムって、議論を尽くすよりも、体臭が喜びそうなメッセージを発信して、支持を集めていく政治スタイルのことです。
ポピュリズムの動きの代表として、イギリスのEU離脱であるブレグジットが2016年に現実になってしまったこと、翌年トランプ大統領が誕生したことがあげられます。
ブレグジットが決まった要因を池上流に解説し、それによっての今後の期待アイルランド問題等、今後の課題を併せて解説されています。
アメリカのオピオイド問題から見た、トランプ大統領誕生の理由なんてのも興味深かったですね。
※オピオイドは医者で処方される麻酔、アメリカではこのオピオイドを覚せい剤のように使用して、多量に服用することで突然死する人が年間で3万人存在している。その多くがラストベルトの失業中の白人。
⑥日本国憲法
これが池上さんが読者に伝えたかったことなんでしょう~
最先端のテクノロジーから始まり、それが国際情勢へとかわり、最終的には私たち日本人の一番考えないといけない“日本国憲法”へと議論が行き着きます。
なぜ安倍政権が日本国憲法を改憲したがっているのか?だったり、自衛隊の成り立ち、、、
あまりに込み入った議題ではありますので、ここでは書き出すことも面倒なんで、これにて終わりたいと思いますwww
複雑な問題を池上さんがわかりやすく噛み砕きながら解説する、、、
本当にこの世の中に必要なことだと思いますね。
しかし、そこで読者であるこちらが、全てわかった気になってしまうのもダメなんだろうなぁ~とも感じましたね。
池上さんはめっちゃ複雑な部分まで理解した上で、本書のような入門書の部類に入るものでは、表面だけを説明して、“気になるようだったらもっと難しい専門書もあるから読んでね”とも言ってます。
つーわけで、専門的な文献読破へと漕ぎ出すおいらなのであった・・・
今日はそんな感じでーーーす
ではでは(´∀`*)ノシ バイバイ
今回読んだのは、池上彰さんの『おとなの教養2~私たちはいま、どこにいるのか?』です。
ちょっと前にこの作品の第一弾にあたる本も書きました。
【読書感想文】 『おとなの教養 ~私たちはどこから来て、どこへ行くのか?~』 池上彰
↓↓↓
https://meatbouzu.diarynote.jp/202002221937172575/
つーわけで、前作同様今回も池上さんが、大人だったら知っておきたい6つのテーマに関して、超絶わかりやすく解説してくれております。
その6つのテーマというのが、①AIとビッグデータ、②キャッシュレス社会と仮想通貨、③想像の共同体、④地政学、⑤ポピュリズム、⑥日本国憲法、です。
それではいつも通り、この本を読んで興味深かった部分を書き出していきます。
①AIとビッグデータ
まず最初はAIとビッグデータということで、最先端のサイエンスを題材にした項目です。
近年AIが発達していって、将来に駆逐される職業はどれか?みたいな議論が盛んにされていますが、池上さんの解説によると、現在のAIは「特化型人工知能」と言って、チェスをうつAIのように、ある利用用途に特化したAIしかなにのに対して、2045年頃にはシンギュラリティといって「汎用型人工知能」が誕生すると言われているそうです。
この汎用型人工知能というのが画期的なのが、AIが自律的思考できるようになるという部分で、それによってAIが人間を超える時代が来る、現在ある職業の多くがAIによって代替可能になると言われるそうです。
まず最初に言っておくと、池上さんはAIやビッグデータに関しては、否定的です。
ビッグデータの活用に関しては、企業がビッグデータを活用して採用試験をすると、これまでの社員とほぼ同じような経歴の人ばかりを採用しちゃうことになるとか、警察がビッグデータを活用して犯罪防止に利用すると、犯罪頻度の高い地域・時間帯にパトロールをして、今までだったら職質しないような人にまで疑いをかけ、そこで何かしらの摘発する事案が重なれば、ビッグデータの中にその地域・時間帯での犯罪頻度がさらに高いと記録されて、さらにパトロール人数が増えるという悪循環になりかねない、と切り捨てます。
まぁー確かにそうで、ビッグデータに任せておけば自分の判断よりも、正しい判断ができると考えるのは早計なんだろうなと思いました。
そこで本書では、ビッグデータでの分析にはもとになるデータに偏ったベクトルが入っていないことが重要だとしています。
そして①AIの分析力、②ビッグデータ、③キャッシュレス社会の、3つのサイエンスが発達していくことにより、国民全ての行動を監視することができる世界が来ると読者を引きつけて、第一章を終わります。
掴みはオッケーって感じですw
②キャッシュレス社会と仮想通貨
お次の項目はキャッシュレス社会と仮想通貨ということで、冒頭お金とは何か?という問いを投げかけ、その答えとしてお金とは「共同幻想」であると定義しています。
みんながお金を信頼しているから、お金はお金なんだよね~ってことです。
キャッシュレス社会の話は早々に、仮想通貨の話になって、仮想通貨のブロックチェーンだったり、マイニングという用語の解説を本書内でわかりやすく説明してくれてますので、知りたい人は買って読んでください。
私がへぇ~っと思ったのは、2017年9月に中国は仮想通貨の使用を禁止にしているってこと、確かに新聞で中国はデジタル人民元の発行に向けて動いているみたいな記事をよく目にするので、中国にとって自国の通貨「元」以外の仮想通貨は排除すべきことなんでしょう。
③想像の共同体
第一章と第二章は、最先端のテクノロジーで自分たちの生活がどう変わるか?という主眼でしたが、第三章からは池上さんお得意の“政治”や“国際情勢”に関してのテーマになってきます。
第三章の想像の共同体というのは、人間のもつ民族意識とは何か?ということです。
池上さんはこの民族意識もお金と同様「共同幻想」だと定義します。
この民族意識というのは、言語、国家、宗教、民族固有の物語・・・などをきっかけにして形成されるとしています。
正直私たち日本人には一番ピンと来ないものだと思います。日本で生まれて日本で生活して、周りも日本人ばかり・・・
本書では第一次対戦下において、イギリスの三枚舌外交によって振り回され、期待を裏切られたことをきっかけに民族意識が加熱して、現在においても争いが絶えなくなってしまっている中東情勢を理解しやすくまとめています。
④地政学
ここでは中国の一帯一路構想のやり口だったり、国際情勢を知る上での「敵の敵は味方」理論を説明してくれています。
「敵の敵は味方」というのは、例えばAという国とBという国が対立をしているときに、Cという別の国にとってはBの国は敵対視をしている場合、それほど友好的でないAの国とCが手を組むようになるという動きをいいます。
わかりにくいと思うんで、本書であげている例を挙げると、北方領土問題で日本とロシアは対立をしていますが、中国は対ロシアのために北方領土問題に関しては日本の味方をしているという事例が書かれています。
仲が悪そうに見える日中関係ですが、そんな中においてもロシアに対抗するために中国は北方領土を日本の領土と認めているという事実は、池上さんの解説がなければ理解ができませんでしたね~
⑤ポピュリズム
最近話題のポピュリズムです。
まずポピュリズムって、議論を尽くすよりも、体臭が喜びそうなメッセージを発信して、支持を集めていく政治スタイルのことです。
ポピュリズムの動きの代表として、イギリスのEU離脱であるブレグジットが2016年に現実になってしまったこと、翌年トランプ大統領が誕生したことがあげられます。
ブレグジットが決まった要因を池上流に解説し、それによっての今後の期待アイルランド問題等、今後の課題を併せて解説されています。
アメリカのオピオイド問題から見た、トランプ大統領誕生の理由なんてのも興味深かったですね。
※オピオイドは医者で処方される麻酔、アメリカではこのオピオイドを覚せい剤のように使用して、多量に服用することで突然死する人が年間で3万人存在している。その多くがラストベルトの失業中の白人。
⑥日本国憲法
これが池上さんが読者に伝えたかったことなんでしょう~
最先端のテクノロジーから始まり、それが国際情勢へとかわり、最終的には私たち日本人の一番考えないといけない“日本国憲法”へと議論が行き着きます。
なぜ安倍政権が日本国憲法を改憲したがっているのか?だったり、自衛隊の成り立ち、、、
あまりに込み入った議題ではありますので、ここでは書き出すことも面倒なんで、これにて終わりたいと思いますwww
複雑な問題を池上さんがわかりやすく噛み砕きながら解説する、、、
本当にこの世の中に必要なことだと思いますね。
しかし、そこで読者であるこちらが、全てわかった気になってしまうのもダメなんだろうなぁ~とも感じましたね。
池上さんはめっちゃ複雑な部分まで理解した上で、本書のような入門書の部類に入るものでは、表面だけを説明して、“気になるようだったらもっと難しい専門書もあるから読んでね”とも言ってます。
つーわけで、専門的な文献読破へと漕ぎ出すおいらなのであった・・・
今日はそんな感じでーーーす
ではでは(´∀`*)ノシ バイバイ
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