※今回は非MTGの話でやたらと長文になる予定です。MTGプレイヤーの方々はまたMTGの話題の時によろしくお願いいたしますw  m(_)m


子供たちの夏休み期間に入ってからというもの、おいらのこのブログの“管理トップ⇒アクセス解析⇒検索ワード”がやたらと、『読書感想文 〇✖△』(※〇✖△の部分は本のタイトル)で検索されていることが多いことに気が付いた。


確かに、おいら読書した本をこのブログにちょこちょこ書いているからね~

ちびっ子たちの助けに少しでもなっているようなら嬉しいんだけども、、、

おいらの昔話になっちゃうけど、おいらも小学生時代は作文って本当に苦手でね~毎回授業で作文の時間とか、夏休みに読書感想文とか書くときには、、、


400字詰めの原稿用紙の1行目にタイトル、2行目に学年クラス氏名を書いて、3行目の1マス空けて、『僕は、』まで書いて、その後ずっとウンウンと何を書くべきか悶絶していた記憶がありますwww
(´ε`;)


今となっては、あの時の自分に教えてあげたい・・・



何を書いたって良いんだよ~(*´∀`*)



・・・だって・・・




お前の作文なんて誰も期待していないし、誰も注目もしていないんだからwww
(゜∀。)




※これはかつての自分をイジるという、おいらにしか出来ないタイムパラドックス的な高度な自虐ネタであり、作文にお悩みのお子さんをお持ちの親御さんたちは絶対にしないであげてくださいねwww!!子供にでっかいトラウマ出来ちゃうぞw!!








・・・と、まぁそんな感じで・・・w




おいらも夏休み中で、読書感想文に悪戦苦闘しているキッズたちを見習って、読書感想文を書いちゃうぞw!!



今回読んだのは、、、、『しんがり 山一證券最後の12人』 著:清武英利


本屋さんの中を30分くらい物色してまわって、選んだ一冊!!

おいら結構読書はする方なんだけど、こないだ本屋に平積みされていて購入した『ナイフ』著:重松清が、あんまりにも個人的な感性と合わなかったため、途中で読むのを断念して、1ヶ月近く読書する気分がわかなかったんだよね~

だから今回は慎重に読む本を吟味に吟味を重ねたね~

今回の本を選んだ理由は、2点!①自身がかつて証券会社勤務だったので、身近に感じて読めるかもしれない!?点と、②この作者って、あの清武の乱の人じゃん!?ナベツネに首を切られた後は、ジャーナリストとして本書いたりしているのかぁ~!?面白そうじゃんって感じた点。


でもって、この本を読んだんだけど、、、


いろんな感情が湧き出てくる、非常に良い作品でしたっ!!!
( ;∀;) カンドーシタ




あらすじはこんな感じ・・・


1997年、四大証券の一角を占める山一證券が突如破綻に追い込まれた。幹部たちまでもが我先にと沈没船から逃げ出す中で、最後まで黙々と真相究明と精算業務を続けたのは、社内中から「場末」と呼ばれる部署の社員だった。社会部時代に「四大証券会社の損失補填」「日債銀の粉飾疑惑」など、数々のスクープを放った伝説の記者・清武英利、渾身のビジネス・ノンフィクション。(文庫巻末より引用)




まず、最初においらの生まれが1984年で山一證券の破綻が1997年、、、その時はおいらは13歳で、もちろん全然ニュースなんか見ていないから、詳しくはそのニュースは知らない、、、おいらが某証券会社に入社したのが2007年、、、


だから今まで自分の中での認識は、

“過去、山一證券という證券会社が存在していて、日本のバブル崩壊をきっかけに金融不安が起こって、いろんな金融機関が潰れていった、、、山一はその中の一社”、、、そんな認識程度しか無かった。


かつて、この程度の認識で証券会社に勤めていたことが恥ずかしくなってくる、、、それと同時に色々と考えさせられる小説だった。


まず、この作品を読んでいて、どうしても思い出してしまうのが、かつて自分が証券会社に勤務していた時の上司たちの言葉だ、、、


上司「今は良くなかったよ、、、昔は法律なんてあってないようなもんだったからね、ちゃんとスーツ来てネクタイしているから一応会社員だけど、やっていることはヤクザと何ら変わんなかったからな~」



今は、金融業界に『コンプライアンス』という言葉が浸透していて、投資者にリスクを説明する・損失補填はだめ・・・等々、金融業界にいない人間でもほぼ常識として理解していると思うが、この作品の舞台である日本のバブル期の証券会社は違う、、、


例えば、「仕切り販売」という昔の証券会社の悪しき習慣が記載されている、、、

「仕切り販売」とは証券会社が投資家の注文なしに大量の株式を買っておいて、組織的に何人もの顧客にはめ込む違法な営業手法のこと。

わかりやすく具体的に書くと、前もって証券会社側が何かの銘柄の株の買い注文を出しておいて、その後に顧客に勧誘して買わせるというもの。だから、顧客にはめ込む段階で買った株価からは動いているため、現値よりも高いところで買わせることにもなりかねないという販売方法。買い需要を不正に作ってしまうという点でも問題がある。


よく飲み会で上司が笑いながら話していたことを思い出し、作品中にこの話が出てきた時は読んでいて、虫ずが走った・・・


こんな販売方法は今では絶対ありえないとはいえ、上司の「おれってば、昔は悪いことしててよ~♪♪」的な、ガキのよく言う“自分のワル自慢”みたいな感じで言っていたのを思い出す、、、


また、山一證券の破綻の一番の要因である「飛ばし」も説明しておかないといけない、、、

「飛ばし」とは、含み損の生じた有価証券を抱えた企業が、その損を表面化させないように、決算期の前に企業間で取引をして、別の会社にいったん預ける行為のことで、日経平均のピークだった1989年以降、自主廃業する1997年まで、、、
山一證券は決算月の異なる複数のペーパーカンパニーを使って、含み損を抱えた有価証券をキャッチボールを重ね、組織的に損失を隠蔽していたという。


この事実を知っていたのは、当時の一部の権力者のみで、もちろん山一の一般社員や多くの取締役や、幹部の者も知らなかった・・・しかし、この作品の後半で、そもそも当初「飛ばし」を決断した社長は、大蔵省証券局長に暗に「飛ばし」を示唆されたからだという驚くべき事実が書かれている!!

・・・しかし、この度重なる違法行為を続けたことにより、皮肉にも国の公的な資金援助を投入できないと判断され、会社更生法による救済ではなく、証券業の免許を返上する自主廃業という最悪の選択肢を選ばざるを得なくなった。



今にして思う、、、自分が入社してからの証券会社が(※恐らくは証券会社に限らず全ての金融機関が)、これほどまでに現在において『コンプライアンス』にうるさくなったのか、『コンプライアンス』を守らないと顧客が自分の会社を選んでくれないから・・・?『コンプライアンス』を守らないと法令違反で罰せられるから・・・?

正しいようで、本質的には違うような気がする、、、

実のところは『コンプライアンス』を守ってないと、いざという時に会社が国に見捨てられる原因になりえるからだったんだ!!

非常にねじ曲がった考え方だと自分でも思うが、そう考えるとガテンがいくからしょうがない、、、


その点、この作品を読んでの、これから現在の会社で定期的におこなっていくであろう『コンプライアンス』の研修は、今までとは違った感覚で考えられそうで、自分のこれからのサラリーマン人生に良い意味で一石を投じてくれたと思う。






またこの作品、サラリーマンのサラリーマンたる定義は何なのか?を強く考えさせられる。


今まで一切話題に上げていなかったが、この作品の主人公たちは、山一證券が自主廃業を決めた以降、その会社の精算の業務を請け負った人たちであって、同じ証券会社の中でも営業の最先端でバリバリと手数料収入を稼いでいた人では全然違う、、、


もうお先真っ暗で、将来は無くなることがわかっている会社の、言うならば敗戦処理を押し付けられた人たちだ、一部では給料の支払いもままならない中にも関わらず、同僚たちはそそくさと会社に見切りをつけて転職活動をしているにも関わらず、お金も地位も名誉も投げ打って最後の仕事をした、まさしくこの作品のタイトル通り12人の「しんがり」たちはどんな思いで仕事をしていたかを考えると、胸が熱くなる・・・


そして、驚くべきは会社の敗戦処理に携わった「しんがり」たちは、今となっては一様に「自分たちがひいたのは貧乏くじでは無い」と語っているという現実だ。

私たちは、会社があるから会社員であり、なぜ会社員なのか?と問われれば、仕事をして給料をもらうため会社員なのだと説明するだろう・・・

しかし、この作品の主人公たちは、会社が存在しなくなるわけで会社員なのか?と言われれば非常にグレーであり、自分の仕事を精一杯しても給料もロクにもらえない状況である・・・

しかし、この著者である清武氏も、この作品に出てくる「しんがり」たち自身も、この作品を読んだ読者も、間違いなく会社最後の敗戦処理を請け負った「しんがり」たちに対して、自分たちの仕事を全うしている!と言えようと思う。


仕事とは何か?会社とは何か?・・・ひいては幸せとは何か?を考えさせられる。




とりあえず、超絶長文になったが、この作品を読んでいろんな感情と、かつて自分が証券会社員時代だった時の思い出とが、たくさん湧き上がってきたので、一心不乱にタイピングしてみた、、、


今日はそんな感じです。


ではでは(´∀`*)ノシ バイバイ




P.S.

今は「コンプライアンス」が厳しくなったので、かつてほどではないけれど、現在の証券会社でも結構な法外なぼったくり的営業はされているので、注意はしたほうが良いですよw



今、思い出した上司の格言

「コンプライアンスを破らなければ、何してもいいから数字を上げろ!!!
最悪、客を殺してでも構わない!!!」

※客を殺すというのは、本当に命をとめる訳ではなく、お客さんに損をさせる意味。
言うならば、この格言は、顧客が持っている含み損かかえてる有価証券を売らせて、別の投資先に投資させて手数料を稼げ!!その時の損切りが大きいと、本部のコンプライアンス部や金融庁に目をつけられるから、そこをうまいことお客様を説得したりとかなんとかして、傍から見てコンプライアンス“的”に問題無くしろ!!ということ・・・

この作品を読んで、法律が変われど、本質的には今も昔も何にも変わっていないよ、、、という切ない感情も湧いてきました、、、

コメント

ngsk
2015年8月24日23:06

証券会社ではないんですが一人のサラリーマンとして金融機関の端っこにいるものとして考えさせられますね。

シンメイ
シンメイ
2015年8月24日23:46

私の母が山一にお金を預けていて、結局戻ってきませんでした。
「増えなくてもいいから元本割れしない商品にしてくれ」「解約させてくれ」と言ってもまったく聞いてもらえず、「絶対大丈夫だから!」と言って勝手に運用されていたそうです。
当時独身だった母は相手に舐められていたところがあり、またもちろん自己責任の部分もあるのでしょうが、私には山一に悪い印象しかありません。むこうも商売ですからね。そのあたりは私も分かってはいるつもりですが…。

どうにもならない状況の中「しんがり」を務めた人たちの苦闘、興味が湧きました。

Hotmilk
2015年8月24日23:50

通りすがりの証券会社とも証券とも縁もゆかりも無い者ですが、考えさせられました。
コンプライアンス研修では、「コンプライアンス遵守は自分のため」と教わりましたが、次回からはまた違った目線で受けられそうです。

ミートボウズ
2015年8月25日7:47

>>ngskさん
不真面目なんだか、真面目なんだかよく分からない記事にも関わらず、コメントを頂いたことに感謝申し上げます。
そうなんです、自分も金融業界にいる人間として、この業界の現在の常識とは、過去この業界であった壮絶なまでの非常識から生まれたということは、知っておいて損は無いから思いました。


>>シンメイさん
それはそれは、、、非常に悔しい思い出だったでしょう、、、
今は厳禁になってる『断定的判断』も、かつては横行していた訳ですよね、、、
※まぁ現在でも、『絶対上がると思います!』みたいな言い方はされてますので注意して欲しいです。

それだけでなく、無断売買なんてことも横行していたようですし、、、

シンメイさんのようにむこうも仕事なので、、、と割りきれるのも達観していらっしゃるなぁ~と思います。

自分はP.S.の部分に書いたような指示が上から下りてきたときに、「仕事とはなんだろうか?」と考えて、気持ちをこじらせて、証券会社を断念しました。

証券会社の人間も人間なので、自身の感情に咎められることも多々あります。しかし、続けている同僚たちを振り返ると、①感情を感じないように感情をシャットダウンする。②家族を養うために自分はやらねばならないと、自身を正当化して考え行動する。この2点をひたすらして感情を押し殺していた者も多かったと思います❪※でなければ、何も感じないおバカさんもいるので注意ですがw❫

まとまりませんが、コメントありがとうございますm(_ _)m


>>Hotmilkさん
コメントありがとうございます(*^^*)
何だか偉そうな発言になってしまうのが恐縮ですが、、、w
1人でも多くの方が、コンプライアンス研修の深部を考えてもらえるきっかけになれば嬉しいです。

さぬーん
2015年8月26日6:49

はじめまして。
金融からはかけ離れた業界に勤めているのですが、大変興味深い内容でした。
今度書店で探してみようかと思います。

たしかに仕事だと割り切ってしまえば、良くも悪くも色々な行動がとれてしまいますね。
ただし、それがあまり宜しくない行為であった場合、人間である以上、頭のどこかでストップサインが出ていると自分は思います。これに気付くかどうかが重要なのだろうなと、社会に出てから感じるようになりました。

また、勝手にリンクさせて頂きました。
ご検討頂けますと幸いです。

ミートボウズ
2015年8月26日7:27

>>さぬーんさん
コメント&リンクありがとうございますm(_ _)m
こちらもリンクさせていただきました。

そうですね、さぬーんさんのおっしゃる通りですね。今回の作品内の山一破綻の諸悪の根源を作ったかつての社長は、悪い事と分かっているものの時間がたって相場が回復するまでだから・・・と自己を説得して、「飛ばし」をしてしまいましたしね、、、結果は相場は回復すること無く最悪になってしまいましたが、、、

右上の写真は単行本ですが、今は文庫本も出てますので、参考にしていただければー(*´∇`)ノ

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