MOの合間に読書をチョボチョボとしておりまして、やっと一冊読み終えました。
今回読んだのは、行動経済学の権威、ダン・アリエリー氏の著『ずる――噓とごまかしの行動経済学』。
この本は、人間の行う不正を行動経済学の視点から数々の実験を行い、不正を助長する仕組みと不正を抑制する仕組みを解き明かそうとした一冊。
ダン・アリエリー氏の著作は以前にも読んでいて、以前の読了した著作の読書感想文は以下
『予想どおりに不合理』
↓↓↓
http://meatbouzu.diarynote.jp/201502130107022695/
『不合理だからうまくいく』
↓↓↓
http://meatbouzu.diarynote.jp/201502222058247118/
ということで、読書感想文を書くのはこれで3冊目。
今回も興味を持ったり、関心したり部分を箇条書きで列挙していくーー
※ちなみに、この著作の中で数々の実験が行われているが、一番多く使用されているのが、実験対象者達に20問のテストを受けさせて、その正解数に応じて報酬を与えるという実験方法。それぞれの実験において、ある時は点数を自己申告のみで確認させたり、ある時は自己申告させる条件に、解答を見える位置に配っておくという手法を付け加えたりと、様々な状況下での人間の不正をする度合いを測った。
①わたしたちは「そこそこ正直な人間」という自己イメージを保てる水準まで、ごまかしをする。
⇒上記実験の時に、全問正解だと嘘をつく人間はほとんどおらず、大半の人間が自分の点数に若干の点数の上乗せをした。また、一問正解する事に与えた報酬が高額になると(10$)、逆に不正は少なくなった。
②現金から遠のくほど、不正は横行する。
⇒学生寮の冷蔵庫に“コーラ”と“現金”を入れた実験で、コーラはすぐに盗らせてなくなってしまったが、現金はなくならなかった。
上記テストの実験においても、不正ができる環境下で、正解数に応じて現金を渡すよりも、正解数に応じて現金に換金できる“代用硬貨”を与えるとした方が、不正は増えた。
➂道徳心を呼び起こすよう働きかけると不正は減る。
⇒実験の前に道徳心を呼び起こさせるような働きかけ(あなたは倫理基準に従ってテストを受けますか?的な文章に署名させた)をすることで、不正は激減した。
しかし、この実験の皮肉なところは、道徳心を常日頃から意識して、カリキュラムに積極的に道徳学習を取り入れている学生も、そうでない学生と同じくらい不正をすることがわかった、、、人間の心に道徳心を定着させることは生半可なことではないようだ、、、
④人間は自分のためだけに不正するよりも、他人のために不正するときの方が不正が多くなる。
⑤自分が口にした発言は、嘘だと分かっていても、それが定着して自分の中では嘘でなくなっていく。
⇒MRの薬の販売手法に、医師に報酬を与えて自分たちの売り込もうとしている薬の講演をしてもらうというのがある。・・・講演を行った医師は講演を行った薬の処方が次第に増えていく傾向にある。
⑥人間のつじつま合わせ係数(不正をする度合い)は、だいたい25%程度。
⑦不正を減らすために有効と思われる、開示や公開主義は必ずしも良い結果をもたらさない。
⇒結局のところ私たちが予想する以上の不正が蔓延るだけという実験結果になった
⑧疲れている人間は不正をしやすい。
⇒人間は疲れているとついつい不正をしてしまうというのは、感覚的にわかっているが、タチの悪いのが自分たちが思っている以上にそういった場合には不正に走りやすいということだ。自分自身で意識をすることや、自制が必要な仕事はまだ消耗していない日中の早い時間に済ませるようにする等の、日々の心がけが重要。
⑨偽ブランドを身に付けると不正に走ってしまう。
⇒どうも人間は、偽ブランド物を身につけているだけで、“偽ブランド物を身につけている自分は、不正をしてしまってもおかしくない人間だ”と思い込んでしまう傾向にあるようだ。
逆に言うと、正規ブランドを身につけた人間は不正をしないか?というとそうではなく、平均的な不正をしていた。
偽ブランド物は人間の道徳心を低下させる性質を持っているようだ。
➉創造性の高い人ほど、不正を働きやすい。
⇒自分は不正(カンニング)をしているわけではない、たまたま正解が目に入ってしまったのだ、的な自分を正当化する考えを捏造しやすいのではないか?と考えられる。
⑪不正は感染する。
⇒不正をしている人間を見ると、その人間も感化されて不正に走りやすい。
しかし、これには例外もあって、自分とは相反する人間(嫌悪する人間)がする不正を見た場合や、不正ができる環境を認識させることは、逆に不正を減らす結果となった。
とまぁーそんなところ。
本書は一貫して、人間は決して費用対効果(その不正をすることでどれだけの報酬が得られるのか?とか、もしその不正がバレた時の罰則はどれくらいか?)を頭の中で計算して不正をするのでなくて、自分の中でつじつまが合う程度まで不正をするということを書いている。
実生活においても、本書を読んで、会社内でたびたび起こるコンプライアンス違反の原因というか、メカニズムが何となくわかったような気がする。
もちろん、この本を自分ひとりが読んだことで、会社のコンプライアンス違反を未然に防ぐことはできないが、自分のいる部署で発生することの無いように、どのように工夫したほうがいいかは、わかったような気がするなー
まぁ、今日はそんな感じですねー
ではでは( ´・ω・`)ノ~バイバイ
今回読んだのは、行動経済学の権威、ダン・アリエリー氏の著『ずる――噓とごまかしの行動経済学』。
この本は、人間の行う不正を行動経済学の視点から数々の実験を行い、不正を助長する仕組みと不正を抑制する仕組みを解き明かそうとした一冊。
ダン・アリエリー氏の著作は以前にも読んでいて、以前の読了した著作の読書感想文は以下
『予想どおりに不合理』
↓↓↓
http://meatbouzu.diarynote.jp/201502130107022695/
『不合理だからうまくいく』
↓↓↓
http://meatbouzu.diarynote.jp/201502222058247118/
ということで、読書感想文を書くのはこれで3冊目。
今回も興味を持ったり、関心したり部分を箇条書きで列挙していくーー
※ちなみに、この著作の中で数々の実験が行われているが、一番多く使用されているのが、実験対象者達に20問のテストを受けさせて、その正解数に応じて報酬を与えるという実験方法。それぞれの実験において、ある時は点数を自己申告のみで確認させたり、ある時は自己申告させる条件に、解答を見える位置に配っておくという手法を付け加えたりと、様々な状況下での人間の不正をする度合いを測った。
①わたしたちは「そこそこ正直な人間」という自己イメージを保てる水準まで、ごまかしをする。
⇒上記実験の時に、全問正解だと嘘をつく人間はほとんどおらず、大半の人間が自分の点数に若干の点数の上乗せをした。また、一問正解する事に与えた報酬が高額になると(10$)、逆に不正は少なくなった。
②現金から遠のくほど、不正は横行する。
⇒学生寮の冷蔵庫に“コーラ”と“現金”を入れた実験で、コーラはすぐに盗らせてなくなってしまったが、現金はなくならなかった。
上記テストの実験においても、不正ができる環境下で、正解数に応じて現金を渡すよりも、正解数に応じて現金に換金できる“代用硬貨”を与えるとした方が、不正は増えた。
➂道徳心を呼び起こすよう働きかけると不正は減る。
⇒実験の前に道徳心を呼び起こさせるような働きかけ(あなたは倫理基準に従ってテストを受けますか?的な文章に署名させた)をすることで、不正は激減した。
しかし、この実験の皮肉なところは、道徳心を常日頃から意識して、カリキュラムに積極的に道徳学習を取り入れている学生も、そうでない学生と同じくらい不正をすることがわかった、、、人間の心に道徳心を定着させることは生半可なことではないようだ、、、
④人間は自分のためだけに不正するよりも、他人のために不正するときの方が不正が多くなる。
⑤自分が口にした発言は、嘘だと分かっていても、それが定着して自分の中では嘘でなくなっていく。
⇒MRの薬の販売手法に、医師に報酬を与えて自分たちの売り込もうとしている薬の講演をしてもらうというのがある。・・・講演を行った医師は講演を行った薬の処方が次第に増えていく傾向にある。
⑥人間のつじつま合わせ係数(不正をする度合い)は、だいたい25%程度。
⑦不正を減らすために有効と思われる、開示や公開主義は必ずしも良い結果をもたらさない。
⇒結局のところ私たちが予想する以上の不正が蔓延るだけという実験結果になった
⑧疲れている人間は不正をしやすい。
⇒人間は疲れているとついつい不正をしてしまうというのは、感覚的にわかっているが、タチの悪いのが自分たちが思っている以上にそういった場合には不正に走りやすいということだ。自分自身で意識をすることや、自制が必要な仕事はまだ消耗していない日中の早い時間に済ませるようにする等の、日々の心がけが重要。
⑨偽ブランドを身に付けると不正に走ってしまう。
⇒どうも人間は、偽ブランド物を身につけているだけで、“偽ブランド物を身につけている自分は、不正をしてしまってもおかしくない人間だ”と思い込んでしまう傾向にあるようだ。
逆に言うと、正規ブランドを身につけた人間は不正をしないか?というとそうではなく、平均的な不正をしていた。
偽ブランド物は人間の道徳心を低下させる性質を持っているようだ。
➉創造性の高い人ほど、不正を働きやすい。
⇒自分は不正(カンニング)をしているわけではない、たまたま正解が目に入ってしまったのだ、的な自分を正当化する考えを捏造しやすいのではないか?と考えられる。
⑪不正は感染する。
⇒不正をしている人間を見ると、その人間も感化されて不正に走りやすい。
しかし、これには例外もあって、自分とは相反する人間(嫌悪する人間)がする不正を見た場合や、不正ができる環境を認識させることは、逆に不正を減らす結果となった。
とまぁーそんなところ。
本書は一貫して、人間は決して費用対効果(その不正をすることでどれだけの報酬が得られるのか?とか、もしその不正がバレた時の罰則はどれくらいか?)を頭の中で計算して不正をするのでなくて、自分の中でつじつまが合う程度まで不正をするということを書いている。
実生活においても、本書を読んで、会社内でたびたび起こるコンプライアンス違反の原因というか、メカニズムが何となくわかったような気がする。
もちろん、この本を自分ひとりが読んだことで、会社のコンプライアンス違反を未然に防ぐことはできないが、自分のいる部署で発生することの無いように、どのように工夫したほうがいいかは、わかったような気がするなー
まぁ、今日はそんな感じですねー
ではでは( ´・ω・`)ノ~バイバイ
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